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電子カルテとは?機能・メリット・紙カルテとの違いを分かりやすく解説

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電子カルテは、単に紙カルテをデジタル化したものではなく、診療記録や検査結果、画像データなどを一元管理し、院内業務や診療判断を支える基盤として活用されるシステムです。

本記事では、電子カルテの基本的な仕組みから主な機能、導入によるメリット・デメリット、紙カルテとの違い、さらには画像診断システムや遠隔画像診断支援サービスとの連携までを整理し、電子カルテの全体像を分かりやすく解説します。

電子カルテとは

電子カルテは、患者の診療記録や検査結果、処方内容などの医療情報を、紙ではなくデジタルデータとして記録・管理するシステムです。従来は紙カルテが主流でしたが、保管スペースの問題や情報検索の手間、業務効率の観点から、令和5年時点で一般病院では65.6%、一般診療所でも55.0%の割合で電子カルテの導入が進んでいます。

出典:厚生労働省 電子カルテシステム等の普及状況の推移

紙カルテとの違い

紙カルテと電子カルテの大きな違いは、「情報の管理方法」と「活用のしやすさ」にあります。紙カルテは初期費用がほとんどかからず、停電時でも閲覧できるという利点がありますが、患者数の増加に伴い保管スペースが必要となり、過去の記録を探す際にも時間がかかります。

一方、電子カルテは物理的な保管場所を必要とせず、患者名やIDを入力するだけで過去の診療履歴や検査結果を迅速に確認できます。また、複数の端末から同時に閲覧できるため、診察室と受付、ナースステーション間での情報共有もスムーズです。

電子カルテに含まれる主要情報(診療記録・検査情報・画像データ)

電子カルテには、診療に必要なさまざまな情報が集約されています。代表的なものが、医師による診療記録です。主訴や診察所見、診断内容、治療方針などが時系列で記録され、患者の経過を継続的に把握できます。

加えて、血液検査や生理検査などの検査結果も電子データとして管理されます。検査結果は診療記録と紐づけて表示できるため、数値の推移を確認しながら診断に生かすことが可能です。

さらに、画像診断を行う医療機関では、レントゲンやCT、MRIなどの画像データも電子カルテと連携して管理されます。画像データと読影レポートを同一画面で確認できるため、診療の迅速化や判断精度の向上につながります。

電子カルテの主な機能

電子カルテには、診療情報を効率的かつ安全に扱うためのさまざまな機能が備わっています。単に紙の記録を電子化するだけでなく、日々の診療業務を支援し、医療の質や業務効率を高める役割を担っている点が特徴です。ここでは、電子カルテの中核となる代表的な機能について解説します。

情報の一元管理と検索・参照機能

電子カルテの基本機能の一つが、診療に関わる情報を一元的に管理できる点です。患者の基本情報をはじめ、診療記録、検査結果、処方履歴、画像データなどをまとめて管理できるため、情報が分散することなく整理されます。

検索・参照機能も大きな特長です。患者名やID、診療日などを指定することで、過去の記録や検査結果を短時間で呼び出すことができます。これにより、診察前の情報確認や経過の振り返りがスムーズになり、診療の質向上につながります。

また、複数の端末から同時に情報を参照できるため、診察室・受付・ナースステーションなど、院内の異なる場所で同じ情報を共有することが可能です。

診療支援機能(テンプレート入力・オーダリング連携など)

電子カルテには、医師や医療スタッフの業務を支援するための診療支援機能が搭載されています。代表的なものが、テンプレート入力機能です。よく使う診療内容や処方、検査項目をあらかじめ定型文として登録しておくことで、入力作業の負担を軽減できます。

オーダリング連携も重要な機能の一つです。診察時に入力した内容をもとに、検査や処方、処置の指示をシステム上で完結させることができ、指示内容は関連部門へ自動的に共有されます。これにより、紙での伝達や転記が不要となり、作業効率の向上とミスの防止が期待できます。

さらに、薬剤の重複や禁忌、アレルギー情報をチェックする機能が備わっている電子カルテもあり、診療時のリスク管理にも役立ちます。

電子カルテ導入によるメリット

電子カルテの導入は、診療情報を電子化すること自体が目的ではありません。診療現場の負担を軽減し、患者対応の質を高めることに本質的な価値があります。ここでは、医療機関が実感しやすい代表的なメリットについて解説します。

業務効率化と待ち時間短縮

電子カルテを導入することで、診療から会計までの一連の業務フローが効率化されます。診療内容を電子カルテに入力すると、その情報がレセコンへ送信され、診療報酬の計算が自動的に行われる仕組みが一般的です。これにより、事務スタッフが手作業で情報を転記・入力する必要が減り、作業時間の短縮につながります。

また、過去の診療履歴や検査結果を瞬時に呼び出せるため、診察前の準備や診察中の確認作業もスムーズになります。紙カルテを探す時間や、検査結果の書類を確認する手間がなくなることで、診察の進行が円滑になり、結果として患者の待ち時間短縮が期待できます。

医療安全性の向上(転記ミス・読みにくさの排除)

電子カルテの導入は、医療安全の観点からも大きな効果があります。紙カルテでは、手書き文字の判読ミスや、内容の転記時に発生する入力ミスが課題となることがありました。電子カルテでは、入力内容が明確に表示されるため、こうした「読みにくさ」に起因するリスクを大幅に低減できます。

さらに、診療内容や処方情報がシステム上で一元管理されることで、情報の抜け漏れや伝達ミスも防ぎやすくなります。薬剤の重複投与や禁忌、アレルギー情報を自動でチェックする機能が備わっている場合には、ヒューマンエラーを未然に防ぐ仕組みとして機能します。

電子カルテの導入時のデメリット・課題

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電子カルテはさまざまなメリットをもたらしますが、導入すればすぐにすべてが解決するわけではありません。ここでは、電子カルテの導入時のデメリット・課題について解説します。

導入前後の運用変更・教育コスト

電子カルテを導入すると、従来の紙カルテを前提とした業務フローを見直す必要があります。診察時の記録方法や情報共有の流れ、受付・会計との連携など、日常業務の進め方が大きく変わるケースも少なくありません。

そのため、導入初期には医師や看護師、事務スタッフを含めた全体的な操作教育が必要になります。電子カルテは多機能である反面、操作に慣れるまで一定の時間を要することもあり、導入直後は一時的に業務効率が低下する可能性があります。

また、紙カルテから電子カルテへの移行期間中は、両者を併用する運用が発生することがあります。この期間は記録方法が二重になり、現場の負担が増えやすいため、移行スケジュールや役割分担を明確にしておくことが重要です。

セキュリティ・停電時の対応リスク

電子カルテは患者の診療情報を電子データとして管理するため、情報セキュリティへの対策が不可欠です。不正アクセスやウイルス感染、内部不正などにより情報が漏えいした場合、医療機関の信頼に大きな影響を及ぼす可能性があります。

そのため、アクセス権限の管理、パスワード運用の徹底、ログ管理、定期的なシステム更新など、組織としてのセキュリティ体制を整える必要があります。特にオンプレミス型の場合は、セキュリティ対策を自院で担う必要がある点に注意が必要です。

電子カルテと画像診断システムの連携

電子カルテの活用価値をさらに高める要素の一つが、画像診断システムとの連携です。CTやMRI、X線などの画像検査は診療の質を左右する重要な情報であり、これらを電子カルテと一体的に扱えるかどうかで、診療効率や安全性に大きな差が生じます。ここでは、電子カルテと画像診断システムを連携させることで得られる仕組みと効果について解説します。

検査結果・画像データとの自動連携

電子カルテと画像診断システム(PACSなど)が連携している場合、検査で取得した画像データや検査結果は自動的に患者情報と紐づけられ、電子カルテ上から直接参照できるようになります。

従来のように、画像を別システムで立ち上げたり、紙やCDで管理したりする必要がなく、診察画面からワンクリックで過去の画像や最新の検査結果を確認できます。これにより、診察中の情報確認にかかる時間が短縮され、スムーズな診療につながります。

また、検査結果の転記作業が不要になることで、入力ミスや情報の見落としといったリスクも低減されます。

読影レポートをスムーズに統合し診療に生かす仕組み

画像診断においては、画像そのものだけでなく、読影医によるレポートの内容が診療判断に大きく影響します。電子カルテと画像診断システムが連携していれば、読影レポートも患者の診療記録の一部として自動的に取り込まれます。

これにより、画像・読影所見・診療記録を同一画面上で確認でき、医師は情報を行き来することなく診察に集中できます。過去の読影結果との比較や経時的な変化の把握も容易になり、診断精度の向上が期待できます。

さらに、外部の遠隔画像診断支援サービスや他院からの検査データを電子的に取り込むことができれば、地域医療連携や専門医との情報共有も円滑になります。

電子カルテの選定ポイント

電子カルテは一度導入すると長期間にわたって使い続ける基幹システムとなるため、価格や知名度だけで判断するのは危険です。自院の規模や診療スタイル、将来的な運営方針を踏まえた上で、どの電子カルテが適しているかを見極めることが重要になります。ここでは、選定時に特に意識すべきポイントを解説します。

クラウド型・オンプレミス型・ハイブリッド型の比較

電子カルテは、大きく「クラウド型」「オンプレミス型」「ハイブリッド型」の3種類に分けられます。それぞれに明確な特徴があり、どれが優れているかは一概にはいえません。

クラウド型は、インターネットを通じて外部サーバーを利用する仕組みで、初期費用を抑えやすく、院内にサーバーを設置する必要がありません。小規模な診療所や新規開業時に導入しやすく、保守やアップデートの負担が軽減される点がメリットです。一方で、インターネット環境への依存や、細かなカスタマイズが制限される場合があります。

オンプレミス型は、院内にサーバーを設置してデータを管理する方式です。動作の安定性が高く、院内システムとの柔軟な連携やカスタマイズがしやすい点が強みです。その反面、初期導入コストや保守・更新にかかる費用が高くなりやすく、サーバー管理の負担も発生します。

ハイブリッド型は、オンプレミス型を基本としつつ、クラウド機能を併用する方式です。通常時は院内サーバーで運用し、障害時や災害時にはクラウド側へ切り替えるなど、両者のメリットを生かせる点が特徴です。ただし、構成が複雑になる分、導入コストや運用設計は慎重に検討する必要があります。

院内業務・検査連携・地域医療連携の要否判断

電子カルテを選定する際は、単体の機能だけでなく、「どこまでの業務を電子カルテに集約したいか」を明確にすることが欠かせません。

院内業務の観点では、受付、会計、予約管理、問診、レセプト業務などとどの程度連携させたいかを整理する必要があります。診療だけでなく、事務作業まで含めて効率化を図りたい場合は、関連システムとの連携実績が豊富な電子カルテを選ぶことが重要です。

検査連携についても同様です。血液検査機器や画像診断システムと自動連携できるかどうかは、診療のスピードや安全性に直結します。検査結果の取り込み方法や表示の分かりやすさは、実際の診療フローを想定して確認しておくべきポイントです。

さらに、今後の地域医療連携を見据える場合には、紹介状や検査データの電子送受信、他院との情報共有に対応できるかどうかも判断材料になります。

遠隔画像診断支援サービスとの連携が電子カルテ活用を強化する

電子カルテの価値をさらに高める要素として、遠隔画像診断支援サービスとの連携が挙げられます。特に画像診断を日常的に行う医療機関では、CTやMRI、X線などの画像データを電子カルテとスムーズに連動させることで、診療の質とスピードを大きく向上させることが可能です。

遠隔画像診断支援サービスと電子カルテが連携していれば、撮影された画像データは自動的に読影医へ送信され、作成された読影レポートも電子カルテ上に迅速に反映されます。これにより、紙や別システムを介したやり取りが不要となり、診察時に必要な情報を同一画面で確認できる環境が整います。結果として、医師は判断に集中しやすくなり、患者への説明も行いやすくなります。

まとめ

電子カルテは、診療記録や検査結果、画像データなどの医療情報をデジタルで一元管理し、診療の質と業務効率の向上を支える重要なシステムです。紙カルテと比べて、情報検索や共有が容易になり、転記ミスや読みにくさといったリスクの低減にもつながります。

画像診断システムや遠隔画像診断支援サービスと連携することで、電子カルテの活用範囲はさらに広がります。iMedicalが提供する遠隔画像診断支援サービスでは、放射線診断専門医による読影体制と、PACSやレポートシステムとの連携を通じて、日常診療から緊急対応まで幅広い運用を支援しています。

本記事の内容を参考に、電子カルテを単なるシステム導入に終わらせず、医療提供体制を支える中核として活用していきましょう。

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